2013年3月21日木曜日

東都新繁昌記の麻布

大正時代に刊行された「東都新繁昌記」を復刻した本を見つけました。その中の「虫聲(ちゅうせい)の麻布」という項に麻布七不思議が掲載されているのですが、大正の七不思議は今と違っていたらしく
  • 狸穴の婚礼
  • 大黒坂の猫股
  • 我善坊の大鼠
  • 谷町の遊女屋敷
  • 二本松の赤子
  • 白金御殿の一本足

など、どれも初耳です。しかし、残念ながら内容が記載されていないので、どのような話であったのかを確認することはできません。また「木賃宿」の項には当時三ノ橋、四ノ橋あたりの古川瑞に「夜鷹」が出没しその女性たちの表の仕事場として谷町の一膳飯屋、三連隊下のすし屋、竜土町の蕎麦屋などが記載されています。商談が成立すると四ノ橋辺の木賃宿に上がったそうです。

その他にも天文台、南部坂、新道路、麻布気分などの項目がありどれも現在進行形で書かれているので、大正期の麻布を満喫できます。
そして、同様の書に昭和3年発行の「大東京繁昌記」がありこちらは(飯倉付近)の項を島崎藤村が執筆し、(芝、麻布)を小山内薫か書いています。