なんと、「麻布」の名前が太陽系の小惑星に付いていました。
小惑星AZABUは太陽から3.97天文単位(1天文単位=太陽⇔地球間の平均距離=約 1億4960万km)の場所を7.9年の周期で回っていて、その大きさは約28kmとの事です。
AZABUの発見は1973年 9月19日 で、発見者はVan Houtenn氏・場所はPalomer天文台でした。 そしてその小惑星の命名者は元国立天文台助教授で現在は鳥取県八頭郡佐治村にある佐治天文台長の香西洋樹氏。しかし天文素人の私には、「発見者」と「命名者」の違いなどわからない事だらけであったので、早速香西先生に問い合わせたところ、非常に親切なお返事を頂戴しました。
「発見者」と「命名者」の違いは、Van Houtenn氏からの申し出で、香西先生の発見した小惑星3291番とVan Houtenn氏の発見した小惑星3290番の命名権を交換した。これはVan Houtenn氏がその後に続く(3292)などと連続して命名したいとの思いがあったためとの事です。そして3290番を「麻布」と命名した由来は東京天文台発祥の地(正確には、本郷との事)で、さらに日本測地原点がある場所を記念し、後世に残したいと思ったからとの事であったそうです。また、この小惑星麻布は、2001年4月上旬から7月中旬までの間太陽から3.5天文単位、地球から2.6~3.8天文単位の位置にあり、明るさは17.3等~18.2等なので、とても肉眼では見ることはできないとの事です。
ちなみに、香西先生は現在までに79個もの小惑星を発見されています。(2001年現在)
- ○小惑星....
- おもに火星と木星との間に軌道を持つ小さな天体で、軌道の判明している小惑星は7000個以上もありますが、そのほとんどは直径数kmから数十km程度で、直径250kmを超えるものは十数個ほどであるそうです。
- 小惑星にはまず、発見された年と月を示す仮符号が与えられます。仮符号は年と、それに続く発見された半月ごとの期間を示す英字、さらにそれに続くその半月内での発見順序を示す英字からできています。そして、それら仮符号の与えられた天体の軌道が未来の位置を予測できるほどよくわかってから、確定した番号と名前が与えられるそうです。しかし、衛星に比べるとかなり自由に名前がつけられるとの事です。