2012年10月4日木曜日

シーボルトと善福寺逆さ公孫樹


前々回までシーボルト関係のネタをお伝えしましたが、書き漏れがあったので
今回は追記としてお届けします。
逆さ公孫樹

シーボルトは江戸滞在中頻繁にハリスと会っていたと書きましたが、時には宿泊先の赤羽接遇所で、またあるときは麻布山善福寺に設置されたアメリカ公使館での面会となりました。
そのなかで、度々訪れた善福寺で逆さ公孫樹を観察し記録ていたことは、あまり知られていません。
シーボルト1661年5/22の日記には、

正午、ハリス邸へ。ヒュースケン、伝吉の墓参り。
ハリス邸の寺院の境内に周囲30フィートの太さのイチョウがある。
この巨大な樹は、枝分かれの下、高さ12から18フィートあたりの幹から、
太さ3から5インチの太い根{気根}が出ている。東ロシアのヴァリンピの樹に似た形である。
私はイチョウの一本を江戸の近くの寺で観察した。
その寺は、アメリカ公使館に譲ったものであるが、木は周囲7m、高さがおよそ30mもある

   
と、帰国後「1886年ライデン気候馴化園の日本植物。説明付き目録の要約と価格表」
赤羽接遇所
に記していますが、シーボルトが「逆さ銀杏」を
観察し記録した事実はほとんど知られていないといわれています。(シーボルト波瀾の生涯より)
その後、同じ日に麻布光林寺で中の橋近辺で襲撃され命を落とした「ヒュースケン」の墓とその傍らにある イギリス公使館通訳伝吉の墓を参拝したたのちに、両者の墓碑銘を比較して
静と動の不思議な対比である」と覚書に記しています。






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