2019年3月20日水曜日

①高輪台駅・猿町

出発集合場所の高輪台交差点
都営浅草線高輪台駅A2出口と交番

 現在の高輪台駅付近の相生坂(雉子ノ宮坂)は五反田へと下る坂ですが、坂上の旧町名「白金猿町」の由来の一つに「江戸を去る」の去るから猿への転訛とする説もあるようです。
別名:エテ町

もとは白金村のうち、増上寺領であった。午後4時を過ぎると辻切りや追剥ぎが出て人の往来がなくなったので、1651(慶安4)年に「商人町屋にしたい」と増上寺を経て願い出て許可された。1713(正徳3)年から町奉行支配となった。町人百姓入り組みの所である(砂子)。町名の由来は、白金台町を「去る」という意味で「去り町」と里俗に唱えたものが、自然に「猿町」と文字を書き替えたと伝える説(町方書上)、昔東海道の要路で南北朝期の頃、新田義貞が西に向かう時、武運を祈って帝釈天を安置したことから「申町」、つまり「猿町」になった(了真寺伝)とする説がある。「去る」の言葉を忌んで、「えて町」ともいった(港区史)。化政期(1804~1830年)の家数89軒、うち地主15・家主7・店借67。
了真寺

また、この場所は三田用水の最終地点でもありますが、その後余水は南へ向かい目黒川に落ちるものと、細川用水と共に北行し三田台の尾根を伝って聖坂を下り、薩摩藩三田屋敷の周囲を流れてから入間川→重箱堀と流れたものがあるようで、現在の芝小学校には芝西応寺で出土した当時の「木管」が保存されています。


そして、白金猿町の隣には品川台町と記載されていますが、坂途中の雉子神社あたりは、池波正太郎の小説必殺仕掛け人の主人公「藤枝梅安」の住居として設定されています。


★品川台町住民の仕掛人・藤枝梅安
昨日録画消化で映画「必殺仕掛人 梅安蟻地獄-1973年(昭和48年)9月29日公開」を鑑賞。
相生坂
白金台交差点より五反田駅方面へと下る坂
原作は「鬼平犯科帳」「剣客商売」などの池波正太郎ですが、この映画は原作を少しひねったスピンオフのようです。
しかし映画の中で緒形拳分する梅安がいきなり切りつけられたときに発する台詞が、
「だれだ! 私を品川台町の藤枝梅安と知ってのことか?」
っと叫ぶシーンがあり、改めて原作「仕掛人・藤枝梅安 第1話-おんなごろし」を読むと下記の記述があります。
~引用はじめ~
品川台町の通りを南へ下った左手に、「雉子の宮」の社がある。ものの本に、
「このあたりは北品川領、大崎という。慶長ころ、将軍家御放鷹のとき、この社へ雉子一羽飛び入りたり。そのとき神名を問わせられしに、このあたりの百姓たち、山神の祠なるよし申し上げければ、以後は雉子の宮と唱え申すべきむね、上意ありてより、かく号くるという」
などと、しるしてある。
別当は宝塔寺といい、丘の上の社殿を仰ぐ鳥居の右手に、その本堂が在った。
鍼医者・藤枝梅安の家は、この雉子の宮の鳥居前の小川をへだてた南側にある。
わら屋根の、ちょっと風雅な構えの小さな家で、こんもりとした木立にかこまれていた。
~引用終わり~
この「雉子の宮」は昔と同じ国道1号線櫻田通りの高輪猿町(現在の都営浅草線高輪台駅)からJR五反田駅へと下る相生坂途中ににあり、裏手には江戸期まで雉子の宮の別当寺であった宝塔寺も現存しています。
高輪台交差点猿町付近
また文中にある「鳥居前の小川」は三田用水が今里村(現在の港区立白金幼稚園)あたりで分離した余水で、正確には川というより水路であったようです。
この川筋は現在も道路として残されており櫻田通りをトンネルでくぐって上流のNTT関東病院傍から流れていたようです。
そして梅安の家は(って、そもそもフィクションなんですが)雉子の宮から少し下った櫻田通りの中央分離帯あたりと想像しています。
つまり、「仕掛人・藤枝梅安」は品川住民であったようです(って、フィクションですが(^_^;)
このあたりは以前島津山の檄坂でご紹介したあたりにもほど近く、ちょうど島津山と池田山の分離点になります。
しかし江戸期には島津山と呼ばれていようはずもなく(島津家が現在の清泉女子大学の地に屋敷を構えるのは明治期)仙台藩伊達家の屋敷が高台にありました。
また以前島津山山荘通路でご紹介した寿昌寺も梅安宅の近隣で江戸期のこの寺には「時の鐘」が設置されていたようですのでこの鐘の音の描写が小説に現れるのが楽しみでしょうがありません。
余談ですが、檄坂でもお伝えした港区・品川区南端境界はこの相生坂上あたりにありますが、この境界もやはり江戸期に設定された江戸町奉行の職務範囲を表す「墨引(すみびき)」が基準となっているようです。


GoogleMap白金台町歩き

3Dさんぽ214Map

wikipadia-雉子神社

wikipadia-藤枝梅安

◎Blog DEEP AZABU-鬼平犯科帳の麻布
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江戸期→現在対比図







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