2013年5月22日水曜日

がま池アップアップ

現在のがま池周辺
2001(平成13)年頃 「がま池消滅の危機」という噂がありました。これは当時池の畔にあったマンションを取り壊し、池全体を使って新しいマンションを建設するという噂でした。

 この噂により、はらきんの釣堀、ニッカ池に続いてまた一つ麻布の湧き水がなくなってしまうと思い込んでいたので、当時大変悲しい情報でした。そして、1月の半ばに港中学PTA関係者の方から廃校に伴う記念誌に当ペ-ジのがま池画像使用の問い合わせを頂いたばかりで池の消滅を聞いたので、何とも残念な気持ちでいっぱいでしたが、K区議の情報により、現在の池面積より20%ほど削られてしまうが、池自体は埋めないとの事でした。そこで当時現状を確認するため久しぶりにがま池に行ってみました。

久しぶりに近辺を訪れて見ると、周辺には工事反対の看板が林立しています。そして、その中の一つに池の水を循環させるポンプの電源を云々というものがあり、あれ?と思いました。子供の頃の池には湧いた水を一定の水位で保つために下水道に水を逃がすための大きな排水口(水門と呼んでいた。)が池の北側に設置されていて、いつもジャ-ジャ-と大量の水が流れ落ちていました。
その水門は子供ならば楽に入れるくらいの広さがあり門の中は、水流に流されて落ちてしまったと思われるザリガニの宝庫でした。

解体前の旧マンションとがま池
自宅に戻り調べてみると1991年10月30日の朝日新聞に「がま池アップアップ」と題した記事が掲載されていることがわかりました。記事によると、港区防災課が1976年に確認されたがま池など港区内の湧水地27ヵ所の追跡調査を行ったとの事で、76年~91年の15年間の変化が記載されていて、91年の再調査で湧水が確認されたのは、麻布山善福寺の柳の井戸、三田の成覚寺、高輪東禅寺、白金自然教育園など12ヶ所だけで、なんと15年で65%もの水源が枯れてしまったといいその中には、三田の宝生院と共に残念ながらがま池の名も確認できます(有栖川公園池もポンプによって回遊)。
枯渇の原因として同記事はビル建設などにより地下水を保つ樹林地が減少していて、道路の舗装により雨水が地下に浸透せず下水道に流れてしまっているなどを挙げています。

また、1991年11月10日の読売新聞朝刊にも「大火防いだ大ガマ伝説」との記事があり、こちらはがま池伝説や当時の地権者の話、最後はその頃池の傍にあった金丸信・元副総理宅の火炎瓶襲撃事件も、がまのご利益でボヤ程度であったと結んでいます。

そして今回のマンション立て替え工事に関連した記事が、先週2月25日付けの東京新聞に掲載されています。内容はカラ-写真付きで紹介されており、池の周囲で生息している「ゴイサギ」の幼鳥の写真を見て、一昨年の夏に池を見学させて頂いた時の、東京とは思えないほどの蝉時雨とトンボの群れを、ふと思い出してしまいました。
麻布からの帰り道、一本松方面から麻布十番へ抜けようと歩くと、電信柱と区掲示板にがま池の環境保全を要求するポスタ-が(多分違法的)貼ってあった。あ~!と思ってよく見ると掲載された

画像は私が撮ったがま池写真でした。
解体中の旧がま池マンション

この記事は2001年頃書いたもので、がま池保全運動が起こっていることもまだ知らない時期でした。しかし、その後池周辺の住民が池保護の署名を集めており、当サイトも電子署名や三者(デベロッパーである森ビルの子会社サンウッド・周辺住民・港区)協議会告知に協力していた事を昨日のことのように思い出します。そのときの様子は「麻布七不思議-がま池」に記していますので興味のある方はどうぞ!












がま池保全ポスター




















がま池保全ポスター