2013年5月20日月曜日

麻布の野生動物-その2

参考画像 : ハクビシン
(夢見ケ崎動物公園)
前回高輪支所のハクビシン捕獲は大きな驚きでしたとお伝えしましたが、実際にハクビシンが捕獲されたのは高輪支所地下駐車場で2005年7月とのことでした。
当時付近にはタヌキの目撃情報が数件あったそうで、早速私もインタビューに歩きましたが私が聞き込みを開始したのは捕獲から4年後の2009年のことで
当時付近にはタヌキの目撃情報が数件あったそうで、早速私もインタビューに歩きましたが私が聞き込みを開始したのは捕獲から4年後の2009年のことで高輪支所、隣接する高松中学ともにその頃の様子を知っている方はいませんでした。 
そしてネットでの情報を検索してみると高輪から白金台あたりにハクビシンの目撃情報が集中しており、その中心は「自然教育園」と思われました。
そこで自然教育園に足を運び学芸員にインタビューしてみましたが、園内での目撃例や生息を確認できる情報は何もないとのお答えで、園内でもため糞などの現象を確認することは出来ませんでした。しかしこの頃の園内には定点観測カメラが仕掛けられていた事を知ったのはつい最近です。
さらに自然教育園付近の住民数名にインタビューをしてみると、

「自身の体験ではなないが深夜目黒通りを渡っているハクビシンと思われる動物を目撃した友人がいる。」

などの情報を頂きました。
そして、白金台からはやや離れた高輪のさるお寺の住職に話を伺うと驚きのお答えが返ってきました。
「ハクビシンは数年前から複数頭が境内に住み着いており、業者に依頼して駆除してもらうこととした。そして業者が仕掛けた罠に数頭が捕まり処分されることとなったが前夜、急にかわいそうになり檻から逃がした。それらのハクビシンは現在も生息している。また、この付近にはこの家族の他に隣接する場所にも別の家族が存在するようだ。」

麻布宮村町寺院の格子天井
また今世紀に入ってから、やはり同じ港区に隣接するホテル・ニューオータニの入り口植え込み、
また港区内でも神谷町、愛宕山、芝公園、大門などで目撃が相次ぎ、やがて2008年には汐留日本テレビタワーにハクビシンが侵入しテレビカメラに納められました。そしてテレビニュースで狸坂上や麻布十番でのハクビシン出現が報じられた2009年11月には、なんと麻布宮村町(元麻布二丁目)のお寺の庫裏に住み着いたハクビシンが捕獲されます。
(改装したばかりの格子天井を踏み抜いて落ちてきたそうで、私も見学させて頂くと、天井は尿で染みとなっていました。)

さらに広尾、西麻布、南麻布などでもハクビシンなどの目撃があり、麻布域のハクビシン生息は確実なものとして姿を現しました。
そして、生息情報を確実な物にするため、みなと保健所に問い合わせ、近年通報された野生動物情報を書面で頂きました。それによると目撃情報は白金台、高輪、赤坂、六本木、南麻布、虎ノ門など港区んもほぼ全域にわたっており、どこにいてもおかしくない状況であることがわかりました。また飯倉交差点榎坂付近で和菓子店を営む方は、我善坊町方面から狸穴町方面へと外苑東通りを渡るハクビシンを二度も目撃し、その異様に胴体としっぽが長い様子をイラストで残していました。
港区内野生動物生息状況
この麻布我善坊町付近は古い民家が多く、また再開発による立ち退きで空き家が増え始めており、野生動物ハクビシンにとっては格好の住処となったことが想像されます。しかし、この地域は商店や飲食店はほとんどありませんので、食物となる生ゴミがふんだんにある外苑東通りに出没しているものと想像されます。

右の地図は目撃情報を元に港区域での生息状況のおおよその位置をプロットした地図ですが、特にハクビシンについては区内のかなり広範囲に生息しているのがおわかりいただけるかと思います。しかし、一方では目撃情報や保健所への通報がすべて正しいという確証は無く、何割かは差し引いて考えるべきかとも思われます。