2013年1月22日火曜日

麻布近辺の古代遺跡

古代の麻布近辺では標高5メ-トル以下の土地は東京湾の入り江であったと思われ、縄文時代には水辺の豊富な海産物が採集しやすい麻布の高台近辺に多くの遺跡、出土物が集中しています。 
しかし、弥生期や古墳時代の遺跡は少なく、これは麻布近辺が水田耕作に適さなかったためと思われます。以下に麻布周辺の主な遺跡をご紹介します。




麻布周辺の主な遺跡
時代 名称・所在地 備  考



西新橋1丁目(旧桜田本郷町) 古くからの伝承によるが、標高が5メ-トル以下であるため古代は海面下であったと思われ、真偽は定かではない。
虎ノ門5丁目10番 縄文時代の貝塚で、前期関山式土器、後期の土器が出土。
丸山貝塚(芝公園内) 古墳の東南斜面に散在。後期安行Ⅰ式土器も出土。
芝公園4丁目2番 東京タワ-の西端、旧紅葉館敷地跡あたりとされるが、現在は場所の特定が出来ず、謎。土器、手斧などが採集されたと言われる。
伊皿子貝塚(三田3丁目、旧三井邸内) 永く謎とされてきた貝塚だが、工事(NTT社屋の建設)によりかまど跡、土器が多く出土。
高輪1丁目24番 打製石斧が出土した記録があるが、現在は詳細不明。
白金台1丁目(明治学院内) 加曽利E式土器が出土したが、現在は消滅。
白金台5丁目(自然教育園内) 縄文土器、石斧が出土したといわれるが、詳細不明。
白金6丁目(神応小学校内) 石器が出土したと伝えられるが、詳細不明。
麻布台2丁目3番(熊野神社境内) 加曽利B式、安行Ⅰ式土器が出土。
旧三河台町、福岡氏邸内 縄文土器が出土したと言われるが、詳細不明。
旧麻布桜田町、鈴木氏邸内 貝塚、石斧が出土したが、詳細不明。
西麻布交差点 打製石斧が出土、詳細不明。
西麻布1丁目付近 打製石斧が出土と言われるが、詳細不明。
西麻布3丁目21番(鳥居氏邸内) 考古学者である氏の邸内から中期縄文土器の”厚手土器”が出土。
西麻布1丁目、3丁目 縄文土器が出土したと言われるが、詳細不明。
元麻布2丁目3番(麻布学園裏) 縄文後期の貝塚。堀の内、加曽利B式が出土。
西麻布2丁目(笄坂上) 縄文土器が出土。詳細不明。
元麻布2丁目10番(がま池付近) 厚手土器が出土。詳細不明。
南麻布3丁目1番 縄文中期の厚手土器が出土。詳細不明。
本村町貝塚(南麻布3丁目8番、11番) 港区で最大級の縄文貝塚。諸磯式土器、黒浜式土器が出土。
南麻布5丁目5番(旧盛岡町南部坂) 打製石斧が発見されたと言われるが、詳細不明。
元麻布1丁目6番(麻布山善福寺) イチョウ付近、台地の住宅地から磨製石斧が出土。
元麻布1丁目3番(旧一本松町24番地) 未完成の石器などが出土。近辺の石器の製作所跡との説も。



芝公園4丁目 大正時代に朱塗りの土器が出土。詳細不明。
三田4丁目(亀塚公園) 公園付近から弥生式土器が多く出土。
青山墓地内 長頸壺形土器が出土。詳細不明。



亀塚古墳 現在は著しく本来の形を損なっているとされ、帆立式古墳、前方後円墳の可能性も?
丸山古墳群 丸山と呼ばれる前方後円墳の西に約10基の小円墳が点在したが、芝ゴルフ場になり小円墳は現存しない。
西麻布(笄町) 詳細不明。
六本木5丁目(北日ケ窪) 詳細不明。
南麻布5丁目(有栖川公園) 詳細不明。
赤坂6丁目(赤坂氷川神社内) 詳細不明。









縄文海進の麻布中央部





アサップル伝説